最近、物流ニッポンの購読をスタートしましたが、令和8年2月27日版から、早速面白い記事を見つけました。その記事からの引用投稿です。
昨年12月、大手運送会社に対して行政指導が行われました。
理由は、下請事業者に対して
・無償の荷役作業
・付帯業務
・長時間の荷待ち
をさせながら、適正な対価を支払っていなかった疑い。
いわゆる「下請法(取適法)」の問題です。
すでに未払い分は支払われたとの報道もあります。
しかし、本当に重要なのはそこではありません。
今回の指摘の中には、
過去に遡って調査し、同様の事実が認められた場合には
下請事業者の利益を保護するために必要な措置を講じること
と明記されているのです。
これは非常に重い一文です。
仮に試算するとどうなるか
記事によると、この企業と取引していた下請会社は1,000社を超えるとされています。
・1人あたり2時間の無償荷役
・時給1,500円
・1社あたり5名稼働
と仮定した場合、この記事を執筆したコンサルタントによると、単純計算でも100億円規模になる可能性があると言われています。
もちろん実際はケースごとに異なります。
しかし、「遡及して支払う」という流れが明確になったこと自体が、業界にとって大きな意味を持ちます。
では、これからどうなるのか
今後予想されるのは、
元請側が「荷役や付帯業務を下請にやらせない方向」に舵を切る可能性です。
ドライバーにとっては歓迎すべき流れでしょう。
しかし、経営の視点で見ると話は単純ではありません。
荷役分の上乗せ交渉が難しくなれば、現在の運賃そのものが上がらない可能性もあります。
無償をなくすだけでは、利益は増えません。
本当に問われるのは“交渉力”
これから問われるのは、
・自社の原価を正確に把握しているか
・荷待ち・荷役時間を記録しているか
・適正原価を根拠に提示できるか
という「交渉の準備」です。
トラック新法、下請法改正の流れの中で、守りの対応だけでは不十分です。
攻めの交渉ができる会社だけが、この環境変化をチャンスに変えられます。
業界全体へのメッセージ
今回の行政指導は、一企業の問題ではありません。
業界全体へのメッセージです。
「うちは関係ない」と思うか、「今が準備のタイミングだ」と捉えるか。
数年後、その差は確実に表れるでしょう。
