なぜ「長距離便」が減っているのか

なぜ「長距離便」が減っているのか

運送業界には、「地場便」と「長距離便」という言葉があります。地場便は、日帰りが中心の近距離の運行。長距離便は、その名の通り、泊まりを伴うこともある遠方への運行です。

かつて、長距離便は「稼ぐならこれ」と言われる、運送業界の花形でした。しかし最近では、長距離便を減らす運送会社が増えてきています。今回は、その理由について考えてみたいと思います。

理由1:2024年問題の影響

1つ目は、2024年問題の影響です。働き方改革関連法の施行によって、ドライバーの時間外労働の上限規制や、拘束時間・休息期間に関するルールが厳格化されました。国全体として「働きすぎに警鐘を鳴らす」流れが強まる中、長時間・長距離の運行は、これまでのようには組みにくくなっています。

理由2:燃料費などのコスト高騰

2つ目は、燃料費などのコスト高騰です。長距離便は、燃料代や高速代など、地場便に比べてコストがかさみます。燃料価格の高騰によって、長距離便が「儲かる仕事」ではなくなりつつある会社も少なくありません。会社の利益が圧迫されれば、当然、ドライバーへの還元も十分にはできなくなってしまいます。

理由3:ドライバーの気質の変化

3つ目は、ドライバー自身の気質の変化です。最近は「毎日、家に帰りたい」と希望するドライバーが増えてきました。かつてのように「稼ぐために長距離便を選ぶ」というより、日々の生活や家族との時間を大切にしたい、いわば”サラリーマンドライバー”とでも呼びたくなるような価値観を持つドライバーが増えているように感じます。

時代の流れとして

法律の変化、コストの変化、そして人の価値観の変化。この3つが重なり合って、運送業界における長距離便の位置づけは、少しずつ変わってきているのかもしれません。

かつての「稼ぐなら長距離便」という常識が、今は必ずしも当てはまらなくなってきている。これも、時代の流れの1つなのでしょうね。