【Q&A】弁護士から未払い残業代の請求書が届いた!初動対応で気を付けるべきポイントとは?

【Q&A】弁護士から未払い残業代の請求書が届いた!初動対応で気を付けるべきポイントとは?

ある日突然、見慣れない封書が届いた。差出人は「○○法律事務所」。開封してみると、「未払い残業代の開示請求書」が入っていた――。

こうした経験をされた運送会社の経営者・管理者の方からのご相談は、決して珍しいことではありません。

今回は、弁護士から未払い残業代に関する書類が届いたときの「初動対応」について、Q&A形式でお伝えします。

Q.弁護士から未払い残業代請求の内容証明郵便が届きました。初動対応として、どのような点に気を付ければよいでしょうか?

A.まず「大前提」を押さえておきましょう。

「弁護士から突然、未払い残業代1,000万円を支払え!という請求書が来る」と思っている方もいらっしゃいますが、実際にはそうではありません。

まず届くのは「開示請求書」です。弁護士が未払い残業代の金額を計算するために必要な資料(賃金規程や勤怠管理の資料、賃金台帳など)を提出するよう求めてきます。いきなり金額が示されることは、ほとんどありません。

① 弁護士からの請求には、真摯に対応する

「無視し続ければ、弁護士も諦めるだろう」とアドバイスする社労士もいるようですが……正直、それはさすがに弁護士を舐めすぎです…

正式な請求に対して真摯に対応することが、まず大原則です。

② 無視・拒絶は「最悪の対応」

無視や拒絶は逆効果です。もし裁判になった場合、対応を怠っていたという事実が裁判官の心証を大きく悪化させるリスクがあります。

「何か後ろめたいことがあるのではないか?」「書類の改ざんを行っていたのではないか?」

そう思われてしまうのは、会社にとって非常に不利な状況を招くことになります。

③ ただし…「不要なものは出さない・不要な期間のものは出さない」

真摯に対応することは大切ですが、だからといって何でも出せばいいわけではありません。必要な資料を必要な範囲で提出するのが基本方針です。

具体的な注意点を挙げます。

  • 36協定は不要 残業代の計算に36協定の書類は使いません。求められても、提出する必要はありません。
  • 提出期間は「時効内の3年分」だけ 弁護士によっては「5年分の資料を出すように」と要求してくるケースもあります。しかし、未払い残業代の時効は3年です。必要以上の期間分を提出してしまうと、「その分を支払う意思がある」と判断される恐れがあります。

どの書類を出すべきか・出すべきでないかの判断は、専門家に相談しながら進めることを強くお勧めします。

④ 提出期限は「絶対」ではないが、連絡は必須

開示請求書には「●月●日までに書類を送付してください」という期限が記載されています。

もし仕事が忙しくてどうしても間に合わない場合は、期限を破っても即アウトというわけではありません。ただし、黙って期限を過ぎるのはNGです。

「業務の都合でご期限までのご準備が難しい状況です。大変恐れ入りますが、●月●日までにはご送付できますよう対応いたします。」

このように事前に連絡を入れれば、大抵は待ってもらえます。誠実な姿勢を示すことが、ここでも重要です。

【まとめ】初動対応の3つのポイント

  • 無視は最悪の対応 弁護士からの請求には必ず真摯に対応する
  • 不要なものは出さない 36協定は不要、提出期間は時効内の3年分のみ
  • とにかく早めに専門家へ相談 何を出すか・どう対応するかは、専門家と一緒に判断する

弁護士から書類が届いたとき、慌てて対応してしまうのが最も危険です。焦らず、しかし誠実に、そして専門家のサポートを受けながら対応することが、会社を守る最善の道です。

未払い残業代の問題についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。