「ようやく年間960時間以内に収まりました!」
そう胸を張る運送会社の経営者の方に、私はいつもこうお聞きします。
「36協定、見せていただけますか?」
すると……年間上限が750時間と書いてある。
これでは、せっかく960時間以内を達成しても、意味がありません。
監督署が確認するのは「36協定」です
労働基準監督署の監督官が調査に来たとき、「年間960時間以内を達成できましたか?」とは聞きません。
真っ先に「36協定を見せてください」と言います。
チェックされるのは、国が定めた960時間という上限ではありません。
自社のドライバーについて、会社と労働者が話し合って決めた36協定の上限時間です。
もし36協定に「年間上限750時間」と書かれていれば、実際の残業が750時間を超えた時点で、たとえ960時間以内であっても労働基準法違反になります。
2024年問題の正体は「36協定問題」
2024年問題といえば「残業時間を減らすこと」とイメージされる方が多いと思います。
しかし、本質はそこではありません。
2024年問題の正体は、36協定問題です。
年間960時間というのは、国が法律で定めた「上限の天井」です。その範囲内で、自社のドライバーの実態に合った時間数を会社と労働者側が話し合い、36協定に明記する——これが大原則です。
こんな会社が危ない
実際によくある危ういパターンをご紹介します。
- 36協定を数年前に作ったきり、更新していない
- 記載している上限時間が実態と合っていない(低すぎる)
- そもそも36協定の存在は知っているが、内容を把握していない
- 960時間達成を目標にしているが、36協定との整合性を確認していない
どれか当てはまるものはありませんでしたか?
血のにじむような努力を無駄にしないために
ドライバーの労働時間管理に取り組んできた経営者の方の努力は、本当に大変なものだと思います。
運行ダイヤの見直し、荷主との交渉、勤怠管理ソフトの導入……さまざまな改善を重ねてきた会社も多いでしょう。
しかしそのすべての努力が、36協定の不備一つで水の泡になってしまうことがあります。
今一度、自社の36協定を確認してみてください。
- 年間の時間外労働の上限は何時間になっているか
- 実際のドライバーの労働実態と合っているか
- 有効期限は切れていないか
もし不安な点があれば、お気軽にご相談ください。36協定の見直しから、適切な上限時間の設定まで、一緒に考えていきます。
