休職の際に、何よりも必ずやるべきことはこれだ!

休職の際に、何よりも必ずやるべきことはこれだ!

最近、「退職代行」に続いて「休職代行」というサービスが登場しているのをご存じでしょうか?

会社に「休みたい」と伝えることすら難しい——そんな状況が増えているということなのでしょう。

ただ、休職はあくまでも会社を一時的に離れて療養し、復帰を目指すものです。代行サービスを使って休職に入ったとしても、その後の会社との関係性は続きます。後々のことを考えると、なかなかリスクの高い選択肢だとも言えるでしょう。

さて、今日は「休職代行」の話ではなく、休職をめぐって実際に多いトラブルのケースをお伝えしたいと思います。

精神疾患による休職が急増しています

近年、精神疾患を理由に休職する従業員が非常に増えています。大企業だけではなく、中小企業でも同様です。うつ病や適応障害などで突然出社できなくなるケースは、今や珍しいことではありません。

多くの会社では就業規則に「休職に関する規定」が設けられています。しかし、いざその規定を運用しようとすると、思わぬミスが生じるケースが後を絶ちません。

よくある相談——「6か月経ったので退職手続きをしたい」

私がよく受ける相談がこんなケースです。

「ずっと休んでいる社員がいます。就業規則を確認したら、休職期間の上限は6か月でした。もうすぐその期限に達するので、退職の手続きを進めてよいですか?」

退職手続きを進めてよいかどうかは、実際には慎重な判断が必要です。ただ、今日お伝えしたいのはその点ではありません。こうした相談を受けたとき、私が必ず最初に確認する質問があります。

「その社員が休み始めるとき、明確に休職指示を出しましたか?」

休職は法律で定められていない——だからこそ注意が必要

ここで誤解している方が非常に多いのですが、実は「休職」は法律で定められた制度ではありません。育児休業や介護休業は法律に根拠がありますが、いわゆる「休職」については、法律上の規定がないのです。

つまり、休職の取り扱いは会社ごとの就業規則によって決まります。そして、ほとんどの就業規則には次のように書かれています。

「会社が休職を命じることによって、休職期間がスタートする」

つまり、社員が「休みます」と言って休み始めただけでは、就業規則上の休職にはならないのです。会社側から正式に「休職を命じる」という手続きが必要です。

「休職指示なし」が発覚した瞬間の衝撃

先ほどの相談に話を戻しましょう。「休職指示を出していない」と分かったとき、会社の担当者は必ずこう聞きます。

「では、その社員は…今の状態は、法的にどんな状態なのですか?」

当然私の回答はこうです。

「……ただ、休んでいるだけです」

そうです。

就業規則上の「休職」にはなっておらず、ただ私的な休みを繰り返している状態、ということになってしまうのです。担当者は真っ青です。特に精神疾患のケースは、いつ復帰できるか見通しが立たないことが多く「6か月間、ただ休んでいただけ」という状態が続いてしまうと、その後の対応が非常に難しくなります。このようなトラブルは、中小企業では本当によく見られます。

細かい注意点より先に「休職指示」を

休職に入る際には、確認しなければならないことがたくさんあります。診断書を提出してもらうこと、休職中の連絡方法・頻度の取り決め、社会保険料や住民税の支払い方法の確認、傷病手当金の案内など、細かな事務手続きは多岐にわたります。

しかし、そういった細かいことに気を取られてしまい、最も重要な「休職指示を出す」という手続きを忘れてしまうケースが後を絶ちません。

まとめ——何よりも先にやるべきことはひとつ

社員が休職を希望している、あるいは休職させることを検討している——そんなとき、何を差し置いても最初にやるべきことはただひとつです。

「会社として、明確に休職指示を出す」

口頭だけでなく、書面(休職命令書など)で残しておくことが理想的です。これがあることで、休職期間のカウントが正式にスタートし、その後の復職手続きや、万が一の退職手続きも、就業規則に沿って進めることができます。

休職は、会社にとっても社員にとっても、正しく運用することが非常に重要です。